2021年までは右肩上がりで伸びていた米国株式。しかし昨年は下落して終わりました。
これまでの米国株は上がったり下がったりしながら成長していっているので、長期で考えているのであれば何も不安はありません。そこで、昨年下がった株価がいつ反発してくるかが気になります。
年度が替わったからと急に何かが変わるわけではないので、昨年の状況を引き続き2023年は受けていきます。ということで、現状の把握からしていきたいと思います。
インフレ
米国はインフレの真っ最中です。コロナ対策で市場にお金が増え過ぎたために、貨幣価値が落ち、相対的に物の値段が上がっています。
一般的なインフレスパイラルとして「市場にお金が増える」⇒ 「買い物等で消費が進む」⇒ 「売れるので供給が追い付かない」 ⇒ 「物の値段が上がる」 ⇒ 「企業は儲かり給料が増える」 ⇒ 「市場にお金が増える」このようにどんどん物価は上がっていきます。
後藤達也さんの作成したグラフが分かりやすいので引用させていただきます。
米国のCPIの結果の推移です。インフレ率は2%前後が良いと言われているのですが、2021年前半ごろから急激にインフレになってきています。昨年は9%と物価高騰です。
日本でも値上げ値上げとニュースが出ていますが、それでも3%付近です。それを考えたら米国の異常な数値が分かると思います。
図を見てみると、2022年半ばをピークに2023年に向かって下がってきているのが分かります。
物価を下げるために米国がある政策をしてきていたのですが、その効果が出てきたと考えられています。
政策金利・FF金利
ある政策というのが政策金利を上げることです。
先にお話ししたインフレスパイラルを断ち切るために、市場からお金を減らしていきます。その方法の一つとして政策金利をあげる、簡単に言うと金利を上げて企業がお金を借りづらくします。
金利が高いとお金を借りるのに躊躇しますよね。企業がお金を借りられないと設備投資などが十分に行えなくなり、利益が少なくなってきます。もちろん従業員の給料も下がってくるので、家庭での買い控えも出てきます。物を売る側は売るために値段を下げます。
このようにインフレを抑制していきます。
昨年から金利を急上昇させて、インフレ対策をしているのが分かります。昨年末時点で4.5%近辺まで金利が上昇しています。以前の利上げ時より急激に金利を引き上げているのが分かります。
物価の具合を見ながら政策金利が上昇してきましたが、物価グラフが下がってきたことを受けて金利の上昇も緩やかになってきました。
12月の政策金利から若干緩やかになってきて、2023年度は5%前後で推移していくと思われます。
景気
政策金利を上げてインフレを抑制していくと、景気が悪くなります。
もちろん理想はインフレを抑えて、良すぎる景気をちょっと良い景気まで落とすのが理想ですが、そううまくはいきません。ですが、今はインフレを抑えることが最優先としているので、景気が悪くなることが見込まれています。米国GDPやISM製造業景況指数・住宅着工件数・雇用統計等の指標で確認することができます。
景気は良い悪いを繰り返していきます。好景気の次は必ず不景気が来ます
下記のサイクル図が分かりやすいです。
現在の米国の位置は利上げの始まった去年から「逆金融相場」に入っています。
境目ははっきりしませんが「逆業績相場」に入るか入らないか位の位置づけだと思います。
まだ利上げ途中ですが、利下げに転じたときは「金融相場」入ってきます。
市場では利下げ時期は2023年後半や2024年度が予想されていますので、少なくとも今年の前半は厳しい相場が続きそうな感じです。
まとめ
その他にも為替やら地政学やらコロナウイルス等様々な要素が複雑に絡み合ってきます。
株の鉄則としては安いときに買って高いときに売るですので、仕込み時なのかもしれません。
現行NISAの最後の年です。つみたてNISAであれば株価が下がればで株がたくさん買えます。一般NISAでも5年後の好景気を願って仕込むのも良いと思います。来年から始まる新NISAでは保有期限が無いので、売る時期をコントロールできます。利益に税金がかからないNISAはかなりお得です。
2023年もあまりいニュースは出ないかもしれませんが、来たるべく好景気に向けて淡々と株を仕込んでいきましょう。
不景気になっても次は上がるしかありません。目の前よりも長期で物事を考えましょう。