生命保険の種類
生命保険には「終身保険」「定期保険」「養老保険」の3つあります。
終身保険
保険が一生涯続く保険で払込期間が終わると保険料負担なしで保証が続きます。死亡または高度障害状態になった場合に保険金が支払われます。また、解約返戻金は期間の経過に従って一定額まで増えていきます。
★POINT
- 保証が一生続くので更新・満期が無い。保険料が上がらない。
- 保険料払込期間終了後はほけんりょうの負担なしで保証が続く。
- 期間の経過に従って、解約返戻金は一定額まで増えていく。
定期保険
定められた期間中に死亡または高度障害状態になった場合に保険金が支払われる保険です。
掛け捨て保険と言われるもので、一般に解約返戻金は少なく、満期保険金(保険期間終了まで生存した場合の保険金)の支払いはありません。
- 保険金が一定の平準定期保険
- 保険金が増えていく逓増定期保険
- 保険金が減っていく逓減定期保険
以上の3つの種類があり、それぞれ支払保険料の増減はありません。
★POINT
- 保障が一定期間続く
- 掛け捨てで満期保険金は支払われない。
- 解約返戻金は少ない
- 保険料が安い。満期まで保険料は変わらない。同じ条件で更新すると高くなる。
養老保険
保険期間中に被保険者が死亡すると死亡保険金が支払われます。
保険期間満了まで生存すると満期保険金が支払われます。
死亡保険金が支払われた場合は契約が終了するので、満期保険金は支払われません。
生死混合保険とも言います。
解約返戻金が満期・死亡保険金と同額まで増えていくため、貯蓄性の高い保険です。
★POINT
- 保障が一定期間続く
- 保険期間満了後は死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる。
- 解約返戻金は満期・死亡保険金と同額まで増えていく。
その他の保険
収入保障保険
生活保障保険や家族収入保険とも呼ばれていたりします。収入保障特約もあります。
これらは生命保険会社が販売する掛け捨て保険の一種です。世帯主などの被保険者が死亡・高度障害状態となった時点から満期まで、その家族に年金として毎月(または毎年)定額の給付金が支払われる保険(一時金として一括受け取りも可能)です。
保険期間の経過とともに年金の受け取り期間が短くなって、年金受取総額が減少していくので、通常の定期保険より保険料が割安となっています。
利率変動型積立終身保険
アカウント型保険とも言われます。契約者が積立金部分を口座(アカウント)から引き出したり、補償内容を変更する際の保険料に充てることができます。
ただし、医療保険や死亡保険など、保障に関する部分はすべて特約で、更新のたびに保険料が上がっていき積立金も減っていくので注意が必要です。
定期保険特約付終身保険
定期保険特約を付けて保障を厚くした終身保険です。定期保険期間を主契約である終身保険の保険料払込期間と同じにした全期型と、保険料払込期間より短く設定して更新していく更新型があります。
更新型の更新時に、診査や告知は不要ですが、保険料は再計算されて高くなります。
定期保険特約の期間は、主契約の終身保険の保険料払込期間が上限で、それ以降の更新はできません。
変額保険
保険料が特定勘定(ファンド)で運用される保険です。株式や債券など保険会社の運用実績によって、死亡保険金や解約返戻金、あるいは年金額が変動することが特徴です。
一般に死亡・高度障害の場合に支払われる保険金や給付金には基本保険金額が最低保証されています。解約返戻金や満期保険金に最低保証はありません。
個人年金保険
契約時に定められた年齢に達すると年金の支払いが開始される保険です。
契約時に種類を選択しますが、受取開始時になってからでも、一時金で受け取ったり、夫婦年金にしたりするなど、年金の種類や受け取り方法は変更可能です。被保険者が年金受取開始前に死亡すると、遺族にはすでに払い込んだ保険料相当額の死亡給付金が支払われます。
受け取り方法は以下の種類になります。
- 終身保険:被保険者が生きている限り年金が続く。被保険者が死亡した場合、その後年金の支払いはありません。
- 保証期間付き終身年金:被保険者が生きている限り年金が続く。保証期間中であれば、遺族にも年金が支払われる。
- 確定年金:10年20年などの契約時に定められた年金受取期間中、被保険者の生死にかかわらず年金が支給される。
- 有期年金:契約時に定められた年金受取期間中、生存中の被保険者に年金が支払われる。被保険者が死亡した場合、その後年金の支払いはない。
- 保証期間付き有期年金:契約時に定められた年金受取期間中、生存中の被保険者に年金が支払われる。保証期間中であれば、被保険者が死亡しても遺族に年金が支払われる。
- 夫婦年金:夫婦どちらかが生きていれば年金が続く。
種類が多すぎて覚えるのが大変ですが、遺族が年金を受け取れるか受け取れないかを理解しましょう!
変額個人年金保険
保険会社の運用実績によって、死亡保険金や解約返戻金、年金額が変動します。
一般的に、死亡給付金には最低保証がありますが、解約返戻金には最低保証はありません。
特約
主契約に付加して契約するもので、単独では加入できません。
主契約を解約すると特約も解約になります。
特定疾病保障 (定期保険)特約 (3大疾病保障 定期保険特約) | がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態と診断された場合に死亡保険金と 同額の保険金が支払われる特約。特定疾病以外の事柄(交通事故など)により 死亡した場合でも保険金が支払われる。特定疾病保障特約、重度疾病保障特約 による保険金の支払いは一度だけ |
重度疾病保障特約 | 特定疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)に加えて、慢性疾患である、 肝臓病・腎臓病・糖尿病・高血圧症になったときに保険金(給付金)が 支払われる特約 |
傷害特約 | 不慮の事故(交通事故を含む)が原因で、180日以内に死亡または後遺障害 が生じた場合に保険金(給付金)が支払われる特約 |
災害割増特約 | 災害や事故(交通事故を含む)が原因で、180日以内に死亡または高度障害状態 になった場合に保険金が支払われる特約 |
災害入院特約 | 災害や事故(交通事故を含む)が原因で、180日以内に入院した場合に 給付金が支払われる特約 |
疾病入院特約 | 病気で入院した場合に給付金が支払われる特約 |
先進医療特約 | 先進医療の治療費は全額が自己負担だが、この特約は特定の病院や 医療施設で行われる、厚生労働大臣が認可した先進医療治療を受けた場合に限り 給付金が支払われる。保険契約後に認可された治療も対象となる |
総合医療特約 | 病気又は不慮の事故による入院・手術などを対象とする特約 |
リビング・ニーズ特約 | 余命6か月以内と診断(判断)された場合に、保険金を生前に受け取ることが できる特約で、無料で付加できる。通常受け取った保険金は非課税となる |
指定代理請求特約 | 被保険者(受取人)が請求できない所定の事情がある場合、指定代理請求人が 給付金や保険金等の請求ができる特約で無料で付加できる。 保険金や給付金への課税・非課税は被保険者が受け取る場合と変わらない |
保険屋になれそうなくらい覚えることがたくさんあります。特に重要な所は最初の3つの保険と個人年金保険と特約この辺は重点的に抑えましょう!
余談ですが、ここまで公的保険から勉強してきて民間保険の必要性を理解できたかと思います。大概は公的保険で対応できて、民間保険では公的保険の対応できないところを補うものです。健康保険や国民健康保険で結構な額支払っているのですから民間保険に無駄に支払いたくないものですね。不安を煽る保険屋から知識を持って資産を守りましょう。