日本銀行いわゆる日銀がどのような役割をしているのかをおさらいしましょう。
学校で習った通り「発券銀行」「銀行の銀行」「政府の銀行」を担っています。
その他にも「景気の調整」や「物価の安定」も重要な役割です。
発券銀行
文字通り日本の紙幣を発行しています。紙幣には必ず日本銀行券と記載があります。これは、日本では日本銀行だけが紙幣を発行することを意味しています。また、古くなった紙幣を回収し、新しい紙幣を供給する。なお、破れてしまった紙幣や、摩耗したり変形した硬貨などは、面積が3分の2以上残っている場合は全額、面積が5分の2以上3分の2未満の場合は半額として交換など、一定の交換基準に応じて新しいものと交換ができます。ちなみに硬貨は国が発行しています。
銀行の銀行
民間の銀行にお金を貸したり、民間の銀行からお金を預かったりする役割があります。個人は日本銀行に預金口座を開設することはできません。日本銀行に預金口座を開設できるのは、民間の銀行です。この口座を通じて民間銀行は日本銀行に預金を行うほか、日本銀行からお金を借りることができます。
政府の銀行
政府の資金を管理するのも日本銀行の役割です。日本銀行では、所得税や法人税などの国税や社会保険料、交通反則金などの歳入金を受け入れたり、公共事業費や公的年金などの歳出金を支払うなど国庫金の事務を行っています。国債の発行や国債元利金の支払いななどを行う国債に関する事務や外国為替市場における為替介入の事務も政府から委託されています。公務員の給料もここから出ます。
物価や景気の調節
日本銀行が、民間の銀行を相手に国債や手形の売買などを通して、お金の量をコントロールし、景気の調節をはかることを「公開市場操作(オペレーション)」といいます。
インフレの時は、金融機関に国債を売って、世の中のお金を少なくします。これを資金吸収のためのオペレーション(売りオペレーション)といいます。
デフレの時は、金融機関から国債を買い取って、世の中のお金を増やします。これを資金供給のためのオペレーション(買いオペレーション)といいます。
現在は長らくのデフレの為世の中にお金を増やしまくっています。金融緩和ととも言われ金利を低くしてお金を借りやすくし、景気を良くしようとしています。これがなかなか上手くいかずにお金がうまく回っていきません。目標物価が2%と設定していますが目標は未達です。
そうです日本銀行は物価を上げようとしているのです。ただ、物価が上がるだけでは生活が苦しくなるばかりです。サイクル的に デフレ ⇒ 世の中のお金を増やす ⇒ 企業が儲かる ⇒ 給料が増える ⇒ 物価が高くなる ⇒ 景気が良くなる これを目指しています。
昨今、日本は外的要因で物やエネルギーの値段が高騰しています。「給料が増える」を飛び越して物価だけ高くなってしまいました。これが今の状態で生活は苦しくなる一方です。最近のニュースでは企業も努力して給料を増やす会社が増加しています。外的要因の物価高ですので、外的要因が落ち着けば物価は下がるはずです。これを乗り切ってデフレ脱却(インフレは一時的で実質デフレ状態)になるかは日本銀行の手腕によるところです。
そんななかデフレ脱却からの物価2%目標を掲げていた異次元金融政策の黒田総裁が2023年4月8日で任期が終わります。後任には植田氏になるそうですが、黒田総裁の政策を引き継ぎつつ新しい政策を打って出るかが注目です。
有名な話ですが日本銀行は上から見ると「円」になっています。